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最難関の資産管理、車両管理を極める!第16回
〜ドライバーの時間管理 2

前回は、自動車の運転業務に携わる労働者の労働時間について、「改善基準」が適用されるとお伝えしました。
「改善基準」は、バス、タクシー、トラックの車両により拘束時間、休息期間等が定められています。
ここでは、トラック運転者の改善基準告示の主な項目について説明しましょう。

改善基準告示の基本となる時間は、拘束時間

拘束時間・・・簡単に言えば、始業時刻から終業時刻までの会社に拘束される全時間です。拘束時間には、休憩時間も含まれます。

(1)1ヶ月の拘束時間は、原則として293時間が限度です。
ただし、労使協定を締結すれば、1年のうち6回まで1ヶ月の拘束時間を320時間まで延長することができます。

(2)1日の拘束時間は、13時間以内を基本としますが、延長する場合でも最大16時間までです。ただし、15時間を超える回数は1週間につき2回が限度となります。
この1日とは、始業時刻から24時間をいいます。つまり、毎日始業時刻が違う場合は、拘束時間の計算に注意が必要です。

[例]

  始業時刻 終業時刻 拘束時間
1月10日 8時 21時 (13+2)時間
1月11日 6時 22時 (16)時間
1月12日 6時 20時  

1月10日の拘束時間を考えてみましょう。
まず、8時から21時までの拘束時間は13時間になります。しかし、始業時刻の8時から24時間以内には、11日の6時から8時までの2時間があります。
従って、10日の拘束時間を考えるときは、(10日の13時間+11日の2時間)となります。
1月11日の拘束時間は、始業時刻の6時から24時間以内の勤務である、6時から~22時の16時間になります。
なお、1か月の拘束時間については、各勤務の拘束時間を累計します。

もうひとつ重要なのが、休息期間(時間ではないので注意!)

休息期間・・・勤務から、次の勤務までの時間を言います。継続して8時間以上が必要です。

(1)休息期間は、疲労の回復を図るとともに、睡眠時間を含む生活時間として労働者が自由にできる時間です。
従って、労働時間の途中に付与する休憩時間や仮眠時間等とは本質的に異なるものです。また、休日とも異なる時間です。

(2)運転者の住所地での休息期間は、それ以外の休息期間より長くなるよう努めるようにとされています。

(3)休日は、休息期間+24時間の連続した時間であり、30時間を下回ってはいけません。
通常は、休息期間8時間+24時間で32時間となり、30時間を下回ることはありません。
しかし、休息期間の分割、2人乗務など特例については、30時間を下回ることがあります。
この場合でも、30時間以上の連続した時間を与えなければ休日として取り扱うことができません。

この他にも、
運転時間・・・2日を平均して1日あたり9時間、2週間を平均して1週当たり44時間まで。
連続運転時間・・・連続して運転できる時間は4時間まで。この間に、休憩や荷役などの運転をしない時間(非運転時間)を30分以上とることが必要です。
なお、非運転時間は、10分以上の長さで分割が可能です。

拘束時間と労働時間の取扱い

労働時間は、拘束時間から休憩時間(仮眠時間)を差し引いた時間になります。
事業場外における休憩時間(仮眠時間を除く)は3時間を超えてはならないとされています。
ただし、業務上の必要があり、あらかじめ3時間を超える休憩時間が定められている場合、または、3時間を超える休憩が取られていたことが客観的に明らかな場合はこの限りでないとされています。

改善基準はこの他にも、勤務の形態により細かく定められています。
自動車運転者の勤務状況によって、どのようなチェックが必要になるか確認しておく必要があるでしょう。

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