最難関の資産管理、車両管理を極める!第12回
〜エコドライブの進め方 2 準備編
「燃費向上にいつも気を付けているから、効果は幾らも出ないよ」と言われる方が多いのですが、企業として省燃費活動を体系的に組み立て、しっかり準備し、従業員の共通認識と参加意識を向上させて徹底的に実践することで、10%の燃費向上は必ず実現できます。
その為にも次のステップを踏むことが重要です。
【成果を出すための準備】
1.現状把握・プランの作成
先ず、車両ごとに燃費の実態をデータとしてまとめ、効果的な燃料費削減のプランを作成します。
重要なのは、実態把握からプラン作成の各段階において、従業員の参加を求めることです。これが、エコドライブへの認識と従業員の連帯感の醸成を図ることとなり、後の成果が大きく違ってきます。
現状をどのように把握するかは、従業員ごとに車両が特定されている場合と、その都度、必要に応じて使用させている場合、あるいはオートマチック車とマニュアル車では多少異なりますが、運転日報などの記入を徹底させ、毎日の車両別・運転者別の走行距離〈出庫・帰庫〉、燃料使用量を把握することが重要です。
それ以外の省燃費活動項目である、車両の日常点検などの把握は、車両管理表による記録の作成と点検に加え、各種業務の徹底度をいかに図るかがポイントとなります。
2.啓蒙・教育
省燃費活動の主旨や実施する内容、エコドライブの方法や関連作業のポイントを全従業員に説明し、エコドライブが単なる経費削減では無く、社会への貢献活動であることを理解させます。
エコドライブを省燃費活動としてとらえることで、車両を運転する者だけではなく、社全体としての広がりのあるプラン・体制が形成されることとなります。
3.エコドライブの実践にあたって
エコドライブの技法を説明し、実行してもらう前に、理解しておかなければいけない重要なポイントがあります。
それは、「運転の癖」です。
運転する人それぞれが、自分の癖に気付かないままに運転していては省燃費を阻害する危険があります。
エコドライブの実践の前に、自動車事故対策機構(NASVA)での運転者適正診断の受診、仲間同士の同乗チェック、エコドライブ自己チェックシートなどによる確認を行い、自分の癖を把握してエコドライブを実践すればより効果的でしょう。
4.目標設定
目標を設定するにあたり、省燃費活動としての広がりと参画意識の高揚を図るため、方針は"トップダウン"で、具体的な燃費・経費削減目標は"ボトムアップ"で決めるなどの工夫が必要です。
(1)方針(例〉
- ・高速道路○○キロ走行、一般道法定速度(社速の設定)
- ・冷暖房温度(エアコン温度設定)
- ・不要な積荷の排除
- ・車両点検、管理表記入の遵守
(2)数値目標(例)
- ・燃費目標 ○○%アップ
- ・経費削減 燃料代○○○千円
- ・事故削減 前年対比○○%減少