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おふぃま新聞 10月号

10月のおふぃま新聞は以下の内容でお送りします。

1.「老後2,000万円問題」で改めて退職金制度に注目?

人生100年時代を迎え、退職後の収入が公的年金だけでは、老後資金が2,000万円不足するという、いわゆる「老後2,000万円問題」が大きく取り上げられたことで、自分の老後のお金に関心を持つ若者が増え、証券会社の開催する投資セミナーに多くの人が集まっているそうです。
そうしたなか、厚生労働省の社会保障審議会企業年金・個人年金部会で検討された、個人型確定拠出年金(以下、「iDeCo」という)の制度見直し案にも関心が高まっています。
同部会では、すべての会社員がiDeCoに加入できるようにするとともに、現在の60歳から65歳へと加入可能年齢を引き上げる等の見直しを含む改正法案を、来年の通常国会に提出することを目指すとしています。
現在、従業員数300人以下の中小企業で一時金や年金のかたちで退職給付を支給する企業の割合が年々下がっていますので、こうした見直しを機に従業員の資産形成を支援する仕組みを導入し、若者に長く安定して働いてもらえる会社という魅力をアピールできるようにしてみてはいかがでしょうか。

2.監督指導による賃金不払残業の是正企業数が減少〜厚生労働省調査

厚生労働省から、平成30年度に時間外労働などに対する割増賃金を支払っていない企業に対して、労働基準法違反で是正指導した結果が公表されました。是正企業数、対象労働者数、支払われた割増賃金合計額、支払われた割増賃金の平均額すべて前年度に比べ減少しています。厚生労働省では、引き続き、賃金不払残業の解消に向け、監督指導を徹底していくとしています。

3.働く人の睡眠問題〜睡眠不足は生産性を低下させる?

OECD(経済協力開発機構)による2018年の国際比較調査によれば、加盟国中、日本は最も睡眠時間が短いそうです。OECD平均が8時間25分である一方、日本は7時間22分と1時間も短いという結果となっています。厚生労働省は、睡眠分野における国民の健康づくりのための取組みとして、「健康づくりのための睡眠指針」というものを策定しています。そのなかでも、睡眠不足による作業効率の低下が指摘されており、睡眠時間確保のための職場ぐるみの取組みが大切であると述べています。

4.求人票と労働条件の食い違いが減少

厚生労働省の発表によると、求人企業がハローワークに提出する求人票の内容と実際の労働条件が食い違っている件数が、6,811件(2018年度)となり、前年度から20%も減少したそうです。

5.高齢者の労働災害が増加しています!
改めて考えたい「高齢者が働きやすい職場づくり」

定年延長や、人手不足を背景として、働く高齢者が増えています。厚生労働省「労働災害発生状況」によれば、2018年に労災に遭った60歳以上の労働者は、前年比10.7%増の3万3,246人で、労災全体の4分の1を占めています。
60歳以上の労働災害の中でも目立つのは転倒事故で、37.8%を占めます(全世代では転倒による労災事故は25%程度)。転倒防止対策が、高齢者の労働災害減少のカギとなるといえます。

6.制度運用強化により在留資格取消件数が過去最多に〜出入国在留管理庁調査

出入国在留管理庁(入管庁)は、平成30年度の在留資格取消件数を発表しました。取消件数は832件で、過去最多だった前年度の385件を更新し2倍以上の増加となりました。在留資格取消件数が増加となった一方で、留学生を受け入れる悪質な教育機関の存在や、低賃金や賃金不払い、長時間労働による技能実習生の失踪の増加などが問題として挙げられています。それらに対して、教育機関の留学生の在籍管理の徹底や実習先企業への不正防止強化等も現在進められています。

コラム

9月は、台風が千葉県を直撃し、甚大な被害をもたらしました。
台風そのものによる被害だけでなく、停電による被害が長期にわたり続きました。

労基法33条には、「災害その他避けることのできない理由によって臨時の必要がある場合」36協定とは別に必要な時間外労働又は休日労働をさせることができると定めてあります。
手続きは事前あるいは事後遅滞なく「非常災害時等の理由による労働時間延長・休日労働許可申請書(または届)」を労基署に提出します。
運送業において被災地への食糧や生活必需品の輸送など改善基準の枠を超えて労働させることがあります。
令和元年6月7日に、「非常災害時の理由による労働時間延長等」の許可基準が改正され、現場を支援する事務部門等の対応も対象となりました。

災害はないに越したことはありませんが、非常時により長時間労働になる場合は、労基署に届出をすることを検討してはいかがでしょうか。

by office-matsumoto | 2019-10-01

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