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有期雇用特別措置法(平成27年4月1日施行)
<専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法>

【法の趣旨】

平成25年4月に、有期労働契約労働者に対して、平成25年4月以降の契約が反復更新することにより、労働者の申し出により、期間の定めのない労働契約へ転換させる仕組み(無期転換ルール)が設けられることになりました。
今回、雇用が不安定になる恐れのない労働者に対して無期転換ルールを除外する特例が設けられることになりました。

【特例の対象となる労働者】

●第1種特定有期雇用労働者 ・・ 高度専門労働者
●第2種特定有期雇用労働者 ・・ 定年後の高年齢者

【特例の対象となる事業主】

対象労働者に応じた適切な雇用管理の実施に関する基本的な指針を策定し、指針に沿った対応を取ることができると厚生労働大臣が認定した事業主が対象となります。
認定されるためには、計画を作成し、厚生労働大臣の認定を受けることが必要になります。
なお、計画を変更するときは、変更した計画についても厚生労働大臣に認定を受ける必要があり、認定要件に適合しなくなった場合は、認定が取り消されることがあります。

  第1種特定有期雇用労働者 第2種特定有期雇用労働者
対象労働者

5年を超えるプロジェクトに就く、高収入かつ高度な専門的知識・技術・経験を持つ有期雇用労働者
※高収入:年収1075万円以上を想定

定年後に継続雇用される有期雇用労働者が対象
※他の企業を定年退職した者を雇用した有期雇用労働者や、60歳前から有期雇用である労働者は対象外
※子会社や関連会社等の継続雇用も対象

認定を受けるために提出する計画の内容

第1種計画
・対象労働者の業務の内容、開始日、終了日
・教育訓練を受けるための有給休暇の付与
・能力の維持向上を自主的に図る機会付与
・対象労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置
・その他省令で定める事項

第2種計画
・対象労働者に対する配置、職務及び職場環境に関する配慮
・対象労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置
・その他省令で定める事項

無期転換申込権が発生しない期間 プロジェクトの期間(最長10年間) 定年後に継続雇用される期間

第一種特定有期雇用労働者

【第一種計画の記載事項】

    ①第一種特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置
  • ・教育訓練に係る休暇の付与
  • ・教育訓練に係る時間の確保のための措置(始業・終業時刻の変更、勤務時間の短縮)
  • ・教育訓練にかかる費用の助成
  • ・業務の遂行の過程外における教育訓練の実施
  • ・職業能力検定を受ける機会の確保
  • ・情報の提供、相談の機会の確保等の援助
    ②その他厚生労働省令で定める事項

【第一種計画認定要件】

  • ①基本指針への適切性
    …計画記載事項が、事業主が行う特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する基本指針に照らして適切であること
  • ② 事業主が行う雇用管理措置内容の有効性・適切性
    …配置・職務内容及び職場環境に関する配慮その他の雇用管理に関する措置の内容が計画対象第一種特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置として有効かつ適切なものであること

【特例対象労働者に対して明示する労働条件】

  • ①無期転換申込請求権に関する特例の内容に関する事項
  • ②特例の対象となる業務の具体的範囲
  • ③特例の対象となる業務の始期及び終期
  • ④無期転換請求権が生じる時期等

なお、計画申請に際して、当該措置の実施することがわかる資料の提出を求められます。
例:職業能力開発計画、労働契約書、就業規則等

第二種特定有期雇用労働者

【第二種計画の記載事項】

    ①第二種特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置
  • ・高年齢者雇用推進者の選任
  • ・職業能力の開発および向上のための教育訓練の実施等
  • ・作業施設・方法の改善
  • ・健康管理、安全衛生の配慮
  • ・職域の拡大
  • ・知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進
    ②その他厚生労働省令で定める事項

【第二種計画認定要件】

  • ①基本指針への適切性
    …計画記載事項が、事業主が行う特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する基本指針に照らして適切であること
  • ② 事業主が行う雇用管理措置内容の有効性・適切性
    …配置・職務内容及び職場環境に関する配慮その他の雇用管理に関する措置の内容が計画対象第二種特定有期雇用労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置として有効かつ適切なものであること

【特例対象労働者に対して明示する労働条件】

    ①無期転換申込請求権に関する特例の内容に関する事項

なお、計画申請に際して、当該措置の実施することがわかる資料の提出を求められます。
例:高年齢者雇用状況報告書、労働契約書、就業規則等


申込権の行使は、平成30年(平成25年から5年後)4月1日から始まるので、それまでに対応を考えておく必要があります。

[参考]
労働契約法改正のポイント(PDF 4ページ)
第二種計画認定・変更申請書(案)(PDF 2ページ)
労働条件通知書(PDF 24ページ)
高度専門職・継続雇用の高齢者に関する無期転換ルールの特例(PDF 24ページ)

by office-matsumoto | 2015-05-02

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