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おふぃま新聞 4月号

4月のおふぃま新聞は以下の内容でお送りします。

1.「マイナンバー制度」対応で必要となる準備事項とは?

今年10月からマイナンバー(個人番号)の市区町村から全国民への通知が開始され、来年1月からはマイナンバーの利用が始まります。
日本経団連では、3月9日に「マイナンバー制度への対応準備のお願い」という文書を発表し、主な準備事項を示しました。

制度開始に向けて企業は(1)マイナンバーの記載が必要な書類の確認(2)マイナンバー収集対象者の洗い出し(3)マイナンバー制度への対処(組織体制・マイナンバー収集担当者への研修、システムの改修等)を行わなければならないとされています。

2.ついに預金口座にも!?「マイナンバー法改正案」の概要

政府は、国民一人ひとりに番号を割り振るマイナンバー制度の適用範囲を広げる「マイナンバー法改正案」を閣議決定し、国会に提出しました。
この法案は、希望者を対象に2018年から預金口座に番号を付与し、個人の資産を把握することで、事務の効率化や税金・社会保険料の徴収等に役立てるねらいがあります。
本案は、今国会で成立する見通しです。

マイナンバーで預金資産を管理することで、事務の効率化や税の徴収の他、脱税や生活保護の不正受給といった疑いのある人の口座情報を得やすくなり、公正な納税につながるといった効果が期待されています。
マイナンバーで資産情報を管理されることに強い抵抗を持つ人は多くいます。
また、銀行に膨大な事務負担がかかることで対応することができなくなるとの懸念もありますが、政府は進捗状況をみて2021年をめどに義務化するかどうかを判断する方針です。

3.個人情報保護法改正ですべての企業にセキュリティ対策を義務化

近年、通販サイトでの購買履歴のような、個人情報保護法施行当時には想定されていなかったデータが“ビッグデータ”として注目されるようになり、個人情報の定義や取扱いに関するルールを見直す必要が生じてきました。
政府は上記の変化や事件を受け、3月10日に改正法案を閣議決定し、国会に提出しました。
個人情報の定義に「個人識別符号が含まれるもの」が加わったほか、「データベース提供罪」が新設され、不正な利益を図る目的での個人情報データベースの提供・盗用は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
また、個人を特定できないように加工した「匿名加工情報」の取扱いに関するルールや「個人情報保護委員会」の設置も盛り込まれました。

改正法の施行後は、個人情報の取扱件数等にかかわらず、すべての事業者が個人情報保護法の対象となり、セキュリティ対策が義務付けられます。
対策には、自社で扱うすべての個人情報の洗出しと種類に応じた取扱いルールの策定が必要であり、準備に時間がかかりますので、拙速な対応によるトラブルを避けるためにも早めに着手することをお勧めします。

4.「介護休業制度」が社員の介護離職を防ぐ!

総務省の「就業構造基本調査」によると、家族の介護を理由に会社を辞めたり転職したりする人は年間10万人に達しています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構「仕事と介護の両立に関する調査結果」によると、(1)介護開始時の勤務先に介護休業制度がある場合は、離転職割合が低くなること、(2)法定を超える介護休業としては、分割取得ができる場合に離転職割合が低くなること、(3)介護休業制度に加えて、残業や休日労働を免除する所定外労働免除の制度がある場合は離転職割合が低くなること等がわかりました。

自宅等で介護をしていることが職場で顕在化していなかったり、取りづらさに困難を感じて取得しない人が多かったりするなど、中小企業の中には、就業規則に介護休業の制度が明文化されていないところも少なくありません。「休業できることを知らない」という社員も多くいます。
貴重な人材の確保という観点からも、介護休業制度の規定・周知を行うことが、まず行うべき介護離職対策の1つと言えそうです。

5.4月から在職老齢年金の支給停止調整額が「47万円」に改定

在職中の方でも年金(在職老齢年金)が受けられますが、年金額や給与に応じて年金額が支給停止されます。この支給停止額に用いる基準額が4月から「47万円」に改定されます。

60歳台後半の方
【総報酬月額相当額+基本月額が47万円を超える場合、1月について次の額の支給を停止】
⇒(総報酬月額相当額+基本月額−「47万円」)×1/2

60歳台前半の方
【総報酬月額相当額+基本月額が28万円を超える場合、1月について次の額を支給停止】
(1)基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円(支給停止調整変更額)以下
⇒総報酬月額相当額+基本月額−「28万円」×1/2
(2)基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円超
⇒(「47万円」+基本月額−「28万円」×1/2+(総報酬月額相当額−「47万円」)
(3)基本月額が28万円超で、総報酬月額相当額が47万円以下
⇒総報酬月額相当額×1/2
(4)基本月額が28万円超で、総報酬月額相当額が47万円超
⇒「47万円」×1/2+(総報酬月額相当額−「47万円」)

6.施行直前!「改正パートタイム労働法」への準備は万全ですか?

今年4月から、改正パートタイム労働法が施行されます。パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)の対象であるパートタイム労働者とは、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」で、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」等、呼び方は異なっても上記の条件に当てはまる労働者であれば、「パートタイム労働者」となります。

「職務内容が正社員と同一」、「人材活用の仕組み(人事異動等の有無や範囲)が正社員と同一」に該当すれば、有期労働契約を締結しているパートタイム労働者も正社員と差別的取扱いが禁止されます。また、パートタイム労働者の雇い入れ時には、雇用管理の改善措置の内容について説明する義務などが新設されます。

コラム

ある調査で、仕事についていない主婦を対象に、「専業主婦とパートのどちらが幸せか?」と質問したところ、61%がパートの方が幸せと回答したそうです。
理由としては、「家にこもりきらない」「自分のお金ができる」「視野が広がる」等が挙げられています。
パートを決めるポイントとして「急な欠勤OK」「職場に主婦のスタッフが多い」が挙げられており、家庭の都合にも柔軟に対応してくれるパート先を求めていることがわかります。

今までは、会社の仕事に合わせて必要な人材を募集していました。
今後は、働きたくても働けなかった主婦、高齢者、障害者等に合わせて、会社が仕事を切出していくことが必要です。
そして、短時間でも会社の一員としてやりがいを感じることができる職場つくりが求められています。

また、パート探し方法として、WEBの求人サイト(34%)、求人誌(28%)、ハローワーク(19%)、お店の張り紙(11%)という結果になっています。
欲しい人材が仕事を探す手段にも、注意を払っていただければと思います。

by office-matsumoto | 2015-04-01

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