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「最低賃金法違反に注意」 −過払金請求から未払金請求へ④

  未払賃金で最も多いのは残業代などの未払いですが、 労働基準法等の法令を熟知していないため、心ならずも未払い賃金になってしまうことがあります。

まず、『時間外・休日・深夜の割増賃金』を正しく理解しているでしょうか。

今まで、時間外労働の割増賃金は一律25%以上でしたが、 4月の法改正で時間外労働が月60時間を超える場合は50%の割増賃金が必要になりました(※)。

注意が必要なのは、休日の割増賃金です。

休日の労働時間の割増賃金率は35%以上ですが、所定休日の労働時間は時間外労働とするため、 月の時間外労働が60時間を超えた状況で所定休日に労働すると割増賃金率は50%で計算しなければなりません。 35%の割増賃金率で計算していれば15%の未払い賃金が発生することになります。

次に、『最低賃金』以上の賃金を支払っているでしょうか。

最低賃金とは、最低賃金法で定められた労働者に支払わなければいけない賃金の最低基準です。
例え、会社と従業員が納得して最低賃金以下の賃金を定めてもその金額は無効です。 最低賃金は時給で定められていますので、月給・歩合給の場合は時給に換算して最低賃金を満たしているか確認しておきましょう。
最低賃金に満たない場合は、その差額を未払い賃金として請求される可能性があるばかりでなく、50万円の罰金となります。

注意が必要なのは、最低賃金の計算の対象となるのは基本的な賃金だけであり、 家族手当や通勤手当、皆勤手当のような福利厚生的な手当は含まないことです。また、時間外手当、休日手当等も含みません。

例:給与30万円(内訳:基本給10万、家族手当5万、皆勤手当5万、時間外手当10万円)
    所定労働時間160時間(就業規則で定められた労働時間、残業時間は含まない)

    時間給=10万円/160時間=625円

もし、あなたの地域の最低賃金が800円であれば、175円(差額)×160時間が未払賃金となり、請求される可能性があります。

by office-matsumoto | 2010-07-05

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